佐川急便が中国で物流事業を始めて3年が経過した。当初、「3年で30拠点を目指す」としていたが、実際は7拠点にとどまっている。運転手が営業も担当す る「セールスドライバー」など日本式ビジネスの定着に時間がかかっているためだ。ただ、直井好昭常務は「あと3年で30拠点にしたい」と語る。通販物流の 一括請負などで存在感を高める戦略だ。(インターネット総部 重森泰平)

――2006年までに中国で30拠点を開設する計画だ

 3年前にやや高めの目標として掲げた数字が、一人歩きしてしまったかもしれない……。現在、企業物流と宅配便を展開しているが、拠点は香港を除くと7つ。慎重に事業を進めており、30拠点に到達するには、あと3年ぐらいかかる。

上海浦東地区の物流センター
――企業物流では中国保利集団と提携している

 3年前に折半出資で合弁会社をつくり、沿海部の物流網整備に乗り出した。(中国人民解放軍系の有力企業グループである)中国保利集団は政府関係者とのパイプが太い。一方、佐川急便は実務に精通しているのが強み。組み合わせは悪くない。

 荷動きも活発だ。具体的には書類やアパレル、パソコン関連、雑貨などが多い。日系企業を中心に指名が増えているため、年明けには深センに 新しい物流センターを立ち上げる。上海でも土地を物色しているところだ。今夏には国際物流のブランドを「SGX」として、さらなる顧客開拓を目指す。

バーコード端末で在庫管理
ただ街中をみてもらうとすぐに分かるが、統一したカラーのトラックはほとんど見かけない。数え切れないほどの運送業者が存在するためで、佐川もデリバリーの末端を任せている。荷動きの正確なトレース(追跡)が課題だ。

――日本では一般的な宅配便。中国でも定着したのか

 現在、上海と北京で1日5000個を取り扱っているが、そのうち半分はテレビ通販会社「東方CJ」の荷物だ。このほど、コクヨの通販事業も契約を勝ち取り、入出庫管理から流通加工、商品代金の回収まで、きめ細かい日本式サービスを提供している。

物流センターを出るトラック
 ただ個人同士の荷物のやり取りはまだまだ少ない。中国全土をカバーする業者が存在しておらず、料金体系や紛失した時の保証もバラバラなためだ。上海事業は年内に、北京事業は来年にも黒字転換する予定だが、安易に他都市に手を広げられない。

――中国展開でとまどっていることは

 佐川急便はドライバーが直接顧客の注文を取るという「セールスドライバー」方式で成長してきた。しかし中国ではまだドライバーの地位が低く、営業先と直接話をしてもらえない。制服を統一し、挨拶や洗車を徹底する地道な努力を続けているところだ。


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